同友会ニュース−企業訪問

【12.01.23】シリーズ[東日本大震災と私」②(有)小川原自動車鈑金 小川原一成氏~「社員と共に第二創業」

「社員と共に第二創業」 (有)小川原自動車鈑金 代表取締役 小川原一成 氏 

小川原自動車鈑金1   小川原自動車鈑金は、車の病院として万が一のときにも安心できるサービスを心がけています。社員が心から「この会社で働いてよかった」と言える会社にしていくために、経営者としての姿勢を見つめなおし、その想いを社員に伝えることで一緒に変わっていこうとしています。その取り組みを紹介します。

心の支えが欲しかった

小川原自動車鈑金2  小川原自動車鈑金は、12名の社員で自動車車体整備業を営んでいます。交通事故で大きな損傷を受けた車も経営豊富な職人が一つひとつ丁寧に仕上げ、きれいに修復できることを強みとして、車の引き上げから納車まで一貫した工程でお客様に安心を提供しています。
 2006年に創業者であるお父様が他界され、社長に就任しました。その翌年に同友会に入会してすぐに経営指針を創る会に参加して、苦労しながらも経営理念を成文化しました。
 トップとして、何か目指すべきものや心の支えになるものが欲しかったのです。それが経営理念でした。父から社長を引き継ぎ、まず始めに考えたことは、創業から続いてきたトップダウンの経営と古い体質からの脱却です。これまでやってきたことを180度転換するのは、相当苦戦しました。最初は、社員にお願いすることもできずに何から何まで自分ひとりでやっていました。それでも何とか変えていきたいという想いでした。

とんでもないことが起きた

小川原自動車鈑金3  3月11日の東日本大震災から2日半停電が続き、被害状況も把握できませんでした。幸い、盛岡市周辺には大きな被害はありませんでしたが、沿岸部の映像を見て「とんでもないことが起きた」と被害の大きさを痛感しました。
 数日後、沿岸部へ支援に出かけました。そこで瓦礫の山を見て言葉にならないほどのショックを受けました。そこで暮らしていた全ての人の生活が奪われてしまったのです。
 同友会の震災復興本部でも、誰も経験したことのない事態の中でどうしたらいいか討議しました。そして、本業をしっかりやることこそが支援になるという結論に至りました。社員にも「事業は再開する。今、自分たちにできることをしよう」と伝えました。
 このときは自社の間接被害への対応策や資金調達の情報に全くピンときませんでした。借り入れを重ねるのにも抵抗があったので、資金調達もしませんでした。しかし、震災以降、仕事が大幅に減少し、半年後には資金不足に陥りました。

人を助けるヒーローになろう

小川原自動車鈑金4   この震災で、失われたものは多くありますが、私たちが忘れかけていた本当に大切なことは何かを考える機会になったように思います。自社で何ができるのか、日常どうあるべきかを社員に問いかけました。
 先が見えない状況だったからこそ、原点である理念に戻りました。「人々の喜びと幸せを創造する」という理念を実現するためにまず、社員全員が生きがい、働き甲斐を持てる会社にしていこうと話し合いました。これまでは、事故をされた方の不幸で仕事をさせてもらっているという価値観も正直ありました。しかし、それでは人々の喜びと幸せは創造できないことに気づきました。これからは、困った人を助ける「ヒーロー」になろうと決めました。
 万が一、事故が起きてしまっても安心できるよう、お客さまをサポートしていくことが自社の使命です。安心を提供する一つとして、自動車保険や車検の部門も始めました。

選手がプレイしやすいフィールドづくり

 小川原自動車鈑金5  人が生きる価値観が変わり、人と人とのつながり、日常生活の大切さを再認識できた今こそ、お互いが素直に話し合うことが大切だと思います。自社では、昨年度末に面談を行い、社員一人ひとりに私の想いを伝えました。最初は、「何をしたらいいのか」と戸惑っていた社員も徐々に自分たちの会社を作っていこうという気持ちが芽生え始めています。
 経営者の役割は、社内の役割を明確にし、一人ひとりが活躍できる環境をつくっていくことです。これまでは、社長として自分が引っ張っていくという意識でしたが、今は、縁の下の力持ちでありたいと思っています。スポーツで例えると社員が選手で社長は監督です。フィールドで活躍するのは、あくまで選手なのです。その社員が誇りを持って働けるフィールドをつくっていきたいと思います。

いい人生にいい仕事

 小川原自動車鈑金6  人生と仕事は切っても切り離せないものです。社員が自分の人生に誇りを持って生きていって欲しいと願っています。そしていつか、この仕事を卒業するときには「この仕事をしてきてよかった」と言えるような会社にしていきたいです。
 日々、悩んだり困ったりすることは絶え間なく続きますが、同友会で学び、考える中で芯がブレなくなってきました。今では、社員にも素直に「力を貸して」と言えるようになりました。
 今後も理念の実現を目指して、社員と共にお客さんや地域の方々に発信していくことが地域への恩返しだと思います。これまでも、これからも、地域を支えていくのは、我々中小企業です。地域を元気にする拠点として社員と成長していきます。

(取材・執筆:愛知同友会事務局員・伊藤沙弥香/2012.1.10~20・岩手同友会事務局支援)
 

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