同友会ニュース−活動報告

【15.09.10】「それぞれの企業で、地域で実現するエネルギーシフト」

エネルギーシフト研究会創立のきっかけ

信幸プロテック(株)取締役会長 村松幸雄氏
信幸プロテック(株)取締役会長 村松幸雄氏

 あらためて確認いたしますが、第四十七回中同協定時総会のテーマは「人を生かし、企業を変え持続可能な地域をつくろう」です。この分科会での学びを各社での実践につなげていただきたいと思います。
 まずエネルギーシフト研究会の創立の経緯からお話いたします。私たちは四年前の3.11の大震災で暮らしが一変しました。大変だったことは燃料が途切れたことです。油が断たれてしまう、まさに油断とはこのことです。すべて化石エネルギーで生活していた結果、電気もガソリンもストップし、この状態がいつまで続くのかという不安がありました。そして福島の原発事故が発生し、原発も海外から輸入するウランで成り立っているということが分かりました。
 私たちは、「このままではいけない、生活と企業活動での消費エネルギーを最小限にしながらエネルギーを自給自足できる仕組みを模索しよう」と議論を開始しました。まさに人を生かし企業を変え、新しい仕事づくりに取り組む第一歩でした。それがエネルギーシフト研究会の設立へとつながります。
 ドイツ帝国宰相のビスマルクは、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという格言を残しました。歴史に学ぶとはたくさんの成功事例、失敗事例に学び生かしていくことです。
 この間、私たちに様々なことを教えていただいたのが、二十年以上建物の省エネルギーに取り組んでいる長土居正弘さんです。後ほどお話をいただきます。
 中小企業家同友会ではTTP(徹底的にパクる)で実践するということが話題になっています。まずは真似て実践することが大切です。

六割のエネルギーが漏えいしている

 二〇一四年十月に中同協主催のドイツ・オーストリア視察報告に衝撃を受け、岩手同友会としても二〇一五年三月にドイツ・スイスへ視察に行きました。そこで気づいたことは、熱(エネルギー)の漏えいを防がずに、どんどんエネルギーを追加するということは、出血を止めずに、どんどん輸血することと変わらないということです。
 これは非常にムダが多く効率の悪いことです。家庭用ですと六割ものエネルギーが漏えいしているのです。まずは熱の漏えいを防ぐことが大切です。さて、ここで長土居さんからご発言をいただきます。

ミニマムエネルギーの思想

エネルギーアドバイザー 長土居正弘氏
エネルギーアドバイザー 長土居正弘氏より

 今、三十歳くらいで家を新築しますと寿命が延びていますから、五十年くらいは使用することになります。これまでの家づくりでは耐用年数が短く二十数年で壊すということもめずらしくありません。
 私はスイスに何度か足を運んでいますが、省エネルギーが日本でも注目されるようになった際に気づいたことがあります。それは、スイスでは核シェルターがなければ確認申請が下りないという過去もあった国柄ですので、エネルギーが遮断されたときにどうするかという考え方、つまりミニマムエネルギーの思想があります。
 一方、日本の省エネルギーの考え方は、十cmの断熱材を少し厚くするとか窓ガラスの性能を少し上げればいいじゃないか、といった「取りあえず」の取り組みです。
 私の周りの人は、子どもも自立して家にいないし、暖房費が高いからといって我慢してファンヒーター一つで過ごしている大きな家が多々あります。セントラルヒーティングの設備があるにも関わらずです。これは寂しいことです。私は年金生活者になっても維持できる、冬場に素足で歩ける住宅を広げていきたいと思い、岩手発のDot(ドット)プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは「快適性の向上」「省エネルギー」「長寿命」「エコロジー」をキーワードに、質の高い住宅の普及を目指しています。現在四十一社が会員として加盟し、これまでに経産省の気密試験をクリアした二十四棟の家づくりを進めてきました。
 同友会とは県内にパッシブハウス基準の住宅(ドイツパッシブハウス研究所が規定する高度な省エネ基準を満たす住宅)が完成した際の見学会で出会いました。お互いドイツ視察の経験を共有する中で、何か一緒にできないだろうかということで同友会に入会させていただきました。
 先ほど視察した紫波町の取り組みは、行政が土地を分譲する際にエネルギーに関する建築制限を設けています。これは全国初ではないかと思いますし、地域熱供給も壮大な取り組みです。今後このうねりが広がっていくと思います。
 翻って、皆さんの家や会社で何ができるかを考えていただきたいと思います。家や会社でどれくらい省エネできるのか、どれくらいCO2を排出しているのか、ランニング コストはどれくらいか、ということは集計できます。現状を知ることがエネルギーシフトの第一歩であり、ぜひ実践していただきたいと願います。(以上 長土井さん)

持続可能な地域のために

 欧州視察
 今ではスマホにサーモグラフィーのアダプタをつけると家からどれだけ熱がもれているかが分かりますし、手の打ち所が見えてきます。省エネルギーに取り組むためにまずは現状を把握することです。
 さて、私たちがドイツ・スイス視察で学んできたことをどう理解してもらうかということが大変です。議論するだけではダメです。少しでも行動することです。
 岩手同友会ではエネルギーシフトについて各社でどう実践していけば良いか気軽に相談し取り組む場所として「E Wende cafe(イー・ヴェンデ・カフェ)」も発足させました。定期的に集い、学び合い、まずは真似して実践していきます。最初からドイツと同じようにはいきませんが、少しずつやってみる。結果として今までの使用量の三分の一は省エネルギーができたね、ということの積み重ねが大切です。
 絵にかいた餅を共に語り、賛同者を増やして学官とも連携しながら実践することです。同友会の仲間を増やし、持続可能な地域をつくっていこうではありませんか。

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