同友会ニュース−活動報告

【15.09.15】エネルギーシフトで地域課題を味方に

人口が減少し続ける町での挑戦

 前野モータース 工場長 前野 嗣郎 氏

 前野氏は中学まで葛巻で育ち、高校から東京の大手ディーラーの大学に下宿生活をしながら通い、プロの車両整備師としての道を進み始めます。二十代の前野氏にとっては当時は、憧れの東京で仕事ができることに魅力を感じていました。そして「自分の子どもたちも自然豊かな葛巻で育てたい」と三十歳で家族で葛巻に帰りました。
 葛巻町は、以前は一万二千人の人口でした。五年間で約七百人が減少し、二〇一三年には人口の半分が六十歳以上の準限界集落になりました。このままいくと将来は人口約四千人にまで減少する、と予測されています。

一人ひとりに寄り添う整備に

ボルトの穴にまで防サビ塗装
 葛巻に帰った直後は東京とのあまりのギャップに悩みました。技術には絶対の自信がありましたが、葛巻町のお客様のニーズは全く違っていました。店に立ち寄り家族の話をしながらオイル交換を待つお客様。大型のトラクターもバイクも、「モータース」の名前の通り、東京時代にはなかった依頼が飛び込んできます。
 ここでそれまでの効率優先、技術優先だった発想を180度転換しました。車を中心にしていたサービスを人を中心に変え、お客様の一人ひとりの生涯に寄り添うことを決意します。そして店の対応も修理中心のアフター対応から故障を未然に防ぐフォロー対応にすべて変えました。
 整備についても、考え方を根本から変えました。言い変えれば「健康診断」です。起こるリスクを未然に防ぐという考え方です。例えば燃費が悪い、ということは胃で言うと消化不良です。今置かれた状態が見えることで、最小の労力とコストで直すことができます。同社は、人と車に優しい環境を提供し続ける、車の総合病院の役割を果たしています。

地域の課題が新たな仕事になる

 半年以上降雪に悩まされる葛巻町では、冬場は毎日のように道路に融雪剤を散布します。凍結を防ぐために必要なことですが、車にとっては大変なストレスです。同社では、新車も中古車もボルト一つまで、すべてのパーツを丁寧に分解し、隅々にまで防さび材を塗り込むサービスを特別注文で引き受けます。一台の車に一週間もかかる作業です。
 前野氏は話します。「エネルギーシフトは、域外に出ているコストを域内で循環させ、新たな仕事を地域に生み出すことです。この発想が大きなヒントになりました。燃料や電気のことだけではありません。それぞれの地域課題や、それぞれの業態、企業に即した工夫ができるはずです。」

どんな地域からでも日本を変えることができる

前野モータース 工場長 前野 嗣郎 氏
 人口減少と少子高齢社会がむしろ大きなチャンスになる。技術を磨き、都心で最先端の整備をしてきたからこそ気づく、中小企業の存在と可能性。「愛する人たちのために地域を見つめ、人を大切にし、経営に取り組んだら、どんな場所からでも日本を変えられる」。前野氏が地域の一人ひとりに大切に向き合う理由は、そうした思いが出発点になっています。

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